2022 年受賞

グレートカンパニー大賞

成長のための歩みを止めず、社員に還元する、地域に貢献する

  • 株式会社シアーズホームグループHD
  • 九州・沖縄

不動産業、物品賃貸業 建設業

グレートカンパニーアワード
2022 グレートカンパニー大賞

  • 受賞理由


    1989年創業。熊本に23拠点、福岡・佐賀に計14拠点を持ち、2020年度のグループ総売上高は230億円。毎年二ケタ成長を続け、この10年で売上が5.3倍、経常利益が7.1倍になったほか、売上高経常利益率は8.3%と、建設業の業界平均(3.66%)*を大きく上回ります。
    「地域密着×圧倒的一番化経営戦略」を掲げ、価格帯別でブランドとビジネスモデルを展開し、地域の「家を売る」マーケットを広範囲でカバー。価格帯別で運営会社を分けることで、グループ内で顧客の取り合いにならない仕組みを構築しています。
    「社員の平均年収を5%以上毎年上げ続けること」を経営指標とし、売上、利益以外に生産性指標も追うべき数字としているほか、教育を仕組み化して若手社員を早期戦力化することで高い利益率を達成し、還元することで社員満足度を高めています。企業としての姿勢が評価され、経済産業省が制度設計を行っている「健康経営優良法人2022」の上位法人「ブライト500」や「熊本県SDGs登録事業者」に認定されました。
    地域貢献にも力を入れ、野球、サッカー、バスケットボールなどのスポーツ団体や096k熊本歌劇団、公共施設のネーミングライツを通じた文化団体への支援をしています。
    2022年3月には鹿児島県へ進出するなど成長のための歩みを止めず、社員に還元する、地域に貢献するための取り組みを続ける同社に『グレートカンパニー大賞』をお贈りします。
    *建設業情報管理センター「建設業の経営分析(令和2年度)」


    多角化経営と地域密着で成長を続ける
    株式会社シアーズホームグループHD





    企業概要


    会社名 株式会社シアーズホームグループHD
    代表者名 丸本 文紀
    設立 1989年
    本社所在地 熊本県熊本市南区馬渡2-12-35
    従業員数 580人
    事業内容 住宅不動産、リフォーム事業


    受賞理由


    圧倒的一番化経営戦略で売上は10年で5.3倍、経常利益は7.1倍


    ・10年でグループの総売上高は5.3倍。売上高経常利益率は業界平均の2倍超。
    ・価格帯別にブランドとビジネスモデルを展開。地域の「家を売る」マーケットを広範囲でカバー。
    ・「社員の平均年収を5%以上毎年上げ続けること」を経営指標に置き、生産性も追求。教育を仕組み化し若手社員を早期戦力化。


    業界ポジション


    「地域密着×圧倒的一番化経営戦略」で業界平均比2倍超の利益率


    グループ内の運営会社が、価格帯別のブランドとビジネスモデルをそれぞれ展開し「家を売る」マーケットを広くカバー。本社のある熊本では、23拠点を置き業界1位の売上を誇ります。また、これを実現させる、営業社員への教育や地域密着の経営にも強みがあります。


    事業概要


    住宅・不動産で多角化
    地域内の「家を売る」マーケットをすべてカバー


    1989年に、小売業の経営に携わっていた丸本文紀氏が不動産の仲介業を行うシアーズコーポレーションを設立して以来、現在はグループ12社、総売上高は約230億円(2021年度)となった株式会社シアーズホームグループHD。グループ各社が異なるビジネスを展開しています。
    主力とする注文住宅、規格住宅、コンパクト分譲、リフォーム・リノベーションのほか、ホテル事業、金融事業や専門工事業を行うグループ会社もあります。



    創業の地である熊本県には23拠点、福岡県・佐賀県には14拠点を置きます。
    まず注目すべきは、その業績です。2011年42.9億円に対して2020年には230億円と、10年で5.3倍に拡大しました。また、経常利益は2.7億円に対して19.2億で、7.1倍に伸長しています。
    高成長を成し遂げると同時に、高収益も実現している企業だと言えます。


    地域密着×圧倒的一番化を成し遂げる
    4つの経営戦略


    同社の高成長・高収益の背景には「地域密着×圧倒的一番化」という経営戦略があり、これには以下の4つのポイントがあります。

    ①松竹梅展開
    まず、同社は価格帯ごとのビジネスモデルを展開しています。
    2007年までは1ブランドだったものの、注文住宅、規格住宅、分譲住宅について、2008年から松竹梅展開をスタート。また展開にあたっては、価格帯ごとに事業会社を決めています。もし、1社で様々な価格帯の商品を扱えば、最終的にお客様が低価格帯に集中して高価格帯の商品が売れないという課題も生じ得るでしょう。同社はこれを避けるために事業会社を分けているのです。



    この松竹梅展開による多角経営は、業績向上につながりました。
    一例として、“松”を担う注文住宅(シアーズホーム)は、2007年は熊本エリアでは129棟を販売し売上31億円でした。それが松竹梅展開以後、“竹”である規格住宅(ジャストホーム)の115棟19億円、“梅”であるコンパクト分譲(サンタ不動産)の70棟19億円が増えただけでなく、これらから顧客紹介にもつながっています。相乗効果で注文住宅の販売増加にもつながり、シアーズホームは172棟42億円になりました。
    結果、同社は熊本エリアで約2.5倍の成長を果たすことになりました。

    ②人材戦略
    そしてこれらの業績向上を支えているのが、同社の人材戦略です。
    顧客満足のためには社員満足が必要と考えている同社。家を売る技術のシステム化とノウハウの体系化を行い、これによる利益を従業員へと還元しています。
    同社は社員の平均年収を毎年5%以上上げ続けることが経営指標の一つ。これを実現するために毎年15%以上の売上の成長が必要であり、「経営の革新なしに給料は上がらず、そのために工夫をする」と丸本氏は語っています。
    そこで、家を売る技術を高めるために「営業の型」×「セールスフォース活用」×「教育の仕組み化&実践」を行っています。ビジネスモデル別に営業を仕組み化し、「シアーズアカデミー」として紙面や動画でマニュアルを整備。そしてセールスフォースで営業KPIや進捗状況を可視化しています。例えば見込客と会った後に送る「お礼の手紙」については、タイミングや内容まで基本的なやり方を用意。こうした仕組みがあるため、入社間もない社員でも契約効率を高めることができています。
    他にも、人材開発室を置いて、グループ内各社の採用・育成・定着を支援し、新入社員の離職率を下げることにも積極的です。



    こうした人材戦略によって、同社は強い人財を短期間で育成できています。営業歩留率を見ると業界平均の10%に対し、同社は20%超。同社の、家を売る技術が高いことがわかります。こうしてコロナ下にあっても、成長は止まず2019年から2020年には前年比120%の成長を果たしました。

    ③地域還元
    また、同社は地方創生にも力を入れています。野球をはじめ、サッカー、バスケットボール、バレーボールの地域チームを、スポンサーになって支援。また、熊本歌劇団など、様々な団体へのサポートを実施しています。
    こうした支援は年間2,000~3,000万円にも上ります。同社は年商の1~2%程度を目安として、地域還元を行っています。
    地方創生への活動は、同時に企業ブランディングにもつながっており、紹介・口コミでの紹介率向上にも貢献しています。



    ④エリア拡大
    同社の戦略として、着実なエリア拡大もポイントです。
    同社は熊本エリアでまず圧倒的一番化を成し遂げ、さらに近隣の佐賀・福岡エリアへも参入していきました。
    エリア参入には次の3ステップを踏みます。
    まず、主力の“松事業”である注文住宅の全国FCブランドで地盤づくりを行います。
    次に “竹事業”である規格住宅や“梅事業”を展開して価格ごとのシェアを拡大します。
    その上で、主力の“松事業”の注文住宅のオリジナルブランドを展開し収益率を高めています。


    社会への影響


    地域で圧倒的一番を実現
    顧客・取引先とも強固な関係を築く


    地域を大事にするシアーズホームグループHDは、顧客や取引先との関係性の強化にも手を抜きません。
    特に、住宅においては地域で実際に家を建てる大工などの取引先との連携は必須。同社には共栄会という取引先による組織もあり、連携を強めています。

    顧客とも住宅の引き渡しで関係が終わるわけではありません。同社はアフターサービス部門を設け、定期訪問をしています。
    2016年、熊本では最大震度7を記録する熊本地震が発生しました。同社はこれに対し、約2000件の住宅を回り、被災状況を確認し、一つずつ対応していきました。もちろん住宅の新築もあるため、被災者へのアフターサービスだけに集中はできません。そのため、この時期は、少なからぬ苦労があったと同社は語りますが、何より顧客の苦労に寄り添うという「当たり前のことを当たり前に」と考え、見舞いの電話、現状把握、訪問……と一つずつ丁寧に進めたと言います。

    こうした姿勢が評判を呼び、現在、同社の紹介・口コミ経由の受注比率は50%を超えます。
    熊本県では2位にダブルスコア、住宅業界1位の売上規模になりました。全業界で見ても、県内4位の売上(2019年度、東京商工リサーチ福岡支社調べ)です。
    今後は熊本・福岡・佐賀での圧倒的一番戦略を進め、売上1,000億円を目標としています。


    地域×他県進出の成長戦略


    担当コンサルタントコメント「さらなる地域密着と圧倒的一番を目指して」


    シアーズホームグループHD様とのお付き合いは10年近くにもなります。この間、5倍以上の成長を遂げられたのも、同社の地域密着や社員を大切にする姿勢と、その上での経営戦略の実行があったと言えるでしょう。丸本社長は、本社を置く熊本県だけでなく、佐賀県、福岡県などでも一番化と、地域密着の経営を目指しています。この先の売上1000億円という目標に向けて、引き続き支援して参ります。
  • 株式会社シアーズホームグループHD
    代表取締役
    丸本 文紀 氏

株式会社シアーズホームグループHD
URL:https://searshomegroup.co.jp/