2022 年受賞

顧客感動賞

「しあわせなお産」の実現のために「地域のお産を守り、社会インフラの一助となる」

  • 医療法人社団マザー・キー
    ファミール産院グループ
  • 関東

医療、福祉

グレートカンパニーアワード
2022 顧客感動賞

  • 受賞理由


    同法人は「しあわせなお産をしよう」を経営理念とし、「しあわせなお産」の実現のために「地域のお産を守り、社会インフラの一助となる」ことを目指しています。「お産」を出産だけでなく妊娠初期から産後までと定義し、産婦人科クリニックが産前から産後まで一貫して母親をフォローする体制を構築しています。少子化の進む地域においても安心して2人目、3人目の出産を考えられるようにと、母親同士の交流や助け合いを促すイベントを実施してきました。また、産後に限らず、地域の小中学校での性教育授業を年間40校ほど実施しています。
    行政からの依頼や後継者不在などの診療所を引き継いで分院とし、多施設運営開始後わずか7年の間にグループ全体で5つのクリニックを運営。2021年の医業収入は約22億円となっています。
    出産後のケアを考えて、妊婦1人ひとりを尊重する「創(きず)のないお産」や、妊婦、母親を総合的にサポートするための美容メニューの付加、産前産後の骨盤矯正、鍼灸メニューの提供も行っています。施設に隣接する広場は子どもの遊び場として、遊具を移設し活用しているほか、産後にサポートを必要とする母親のために、産後ケアセンターなのはなフィフティーンを採算度外視で運営しており、2021年度の同施設の利用者数は約200名、延べ利用者日数は約650日でした。グループ全体の年間分娩数は約2,000件です。
    医療と経営のバランスを取りながら地域のお産を守り、年間1万分娩を目指してさらなる分院の展開を進めている同法人に、『顧客感動賞』をお贈りします。


    経営と医療のバランスをとりながら社会インフラの一助に





    企業概要


    会社名 医療法人社団マザー・キー ファミール産院グループ
    代表者名 杉本 雅樹
    設立 2005年9月
    本社所在地 千葉県館山市北条2186-1
    従業員数 300人
    事業内容 産科・婦人科、産後ケア事業


    受賞理由


    独自ノウハウにより医療とのバランスを取りながら産婦人科経営で高成長


    ・7年で業績は約3倍。約22億の法人グループに成長。
    ・産婦人科医のなり手が少ない中で、採用ノウハウと医師を支える産婦人科運営ノウハウを持つ。
    ・医師が医療に集中できるバックサポートにも十分な投資を行いつつ、安定的かつスピード感をもって投資回収。


    業界ポジション


    千葉県で産科を分院展開し地域のインフラとなる


    千葉県で産科を展開するファミール産院グループ。全医師数のうち産婦人科で働く医師は3.5%、千葉県は10万人あたりの医療施設従事医師数が全国ワースト5位(それぞれ2020年)と厳しい環境にも、人材を充足させ医療と経営を両立し業績を上げています。
    ※厚生労働省「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」より




    事業概要


    2014年にグレートカンパニー社会貢献チャレンジ賞からわずか7年で医業収入は3倍、グループでは22億に成長


    医療法人社団マザー・キーは2014年に「グレートカンパニーアワード 社会貢献チャレンジ賞」を受賞しました。当時はまだ1院のみ。千葉県館山市という高齢化が進む地域で、地域コミュニティの中核となるべく活動していたことが受賞理由でした。
    それから7年。現在は千葉県内に5つの産科医院に分院展開し、医業収入は約3倍となる約22億円に成長しました。
    「医療経済実態調査」(中央社会保険医療協議会、2021年)によれば、産婦人科の一般診療所(入院診療収益あり)の1施設当たり損益は個人開業で1.75億円、医療法人で3.99億円です。これに対して、ファミールは1院あたり約4.2億円であり、安定的な経営をしていると言えます。


    患者一人一人に寄り添うお産で全国でも上位に入る分娩数


    ファミール産院グループの特徴は「切らないお産」です。出産時には約70%の方が会陰切開すると言われています。この理由には、「切らないお産」が経験豊富な助産師や医師無しには難しいことや、あえて言えば産院にとって効率ではないことが挙げられます。
    それでも、ファミール産院では産後のケアや負担軽減を考え、患者一人一人に寄り添った丁寧なお産を進めています。
    現在、ファミール産院はグループ合計での分娩数が2,000超。県内1位は約1500件のため、これを大幅に超える点でも、ファミール産院グループの取り組みの確かさと地域からの評価の高さがうかがえるでしょう。


    採用や育成にも注力 分院展開した病院が短期で業績アップ


    ファミール産院の経緯を紐解くと、館山での「ファミール産院たてやま」の開業がその始まり。この1院目からすでに、後につながる理念や体制が構築され始めました。
    母親同士の交流や助け合いを促すイベントの実施や、子供が妊婦と触れ合う活動なども行い、地域の教育にも貢献。開業当時に関わっていた助産師や事務のリーダーは、現在マネジャークラスとなって、各分院を引っ張っていく貴重な人材となっています。

    その後、2院目の「ファミール産院きみつ」では知名度の低さなどもあり、人材採用に苦労しながらも、あらゆる採用サイトの活用や、紹介、口コミなど地道な採用活動を行い開院しました。人材育成には、診療面の知識技術のみには留まりません。院内委員会活動を立ち上げ、院長とともにスタッフリーダー職が運営会議を通じて“患者様満足”について考える教育システムを導入しています。
    また、妊婦や母親を総合的にサポートすべく、美容メニューや鍼灸メニューも付加。さらに、地域の教育委員会と連携して、市内の小学校をメインに助産師、看護師スタッフが性教育を行うなど、活動は多岐にわたります。

    その後もファミール産院グループは、千葉市の「なのはなクリニック/なのはなフィフティーン」、運営委託により始まった「ファミール産院ちば」、産婦人科のみを引き継ぎ開業した市川市の「ファミール産院いちかわ」と県内で展開しています。
    「ファミール産院ちば」は受託前に400件だった年間分娩数が701件に向上。また、「ファミール産院いちかわ」は2021年秋に開業して以来、間もなく月商6,000万円を達成し、開業1年でさらなる増築を始めています。
    このように、県内各所で展開してきたファミール産院グループですが、その立地選定は戦略的というよりも、各行政や、継承困難になっている院からの声掛けがきっかけとなっています。そしてたとえ立地が悪くとも開院し、そして短期で業績を上げるという方式がグループの強みにもなっています。




    社会への影響


    後継者不足の産婦人科における圧倒的なグループとして


    ファミール産院グループは、さらに2022年に県内の津田沼において開院する予定があります。「地域のお産を守る」ことはグループの理念。今後も展開しながら、社会インフラの一助となり、10000分娩を目指し地域で圧倒的な産婦人科グループとなるべく邁進しています。
    産婦人科は後継者不足ということもあり、廃業を考える産院もありますが、もしも無くなれば地域で産み、地域で育てるということが難しくなっていきます。
    ファミールがそのノウハウをもって、成長を続けていくことは、業界における危機を守ることにもつながっていくことでしょう。


    圧倒的な産婦人科のグループとして、さらなる成長へ


    担当コンサルタントコメント
    「安定的な経営をもって地域インフラの一助となる」


    ファミールグループ様の産院の展開には、お産に対する考え方や、その理念がグループ内で浸透し、人材が活躍していることもさることながら、経営の安定性もポイントです。
    船井総研の財務チームからのファイナンス分析では「キャッシュフローレベルも高く、運転資金も問題ない」という結果が出ています。これにより今後も着実な展開が可能であると考えられます。

    地域に必要とされ、社会インフラの一助となる圧倒的な産婦人科グループとしてグレートカンパニーにふさわしい法人と存じます。
  • 医療法人社団マザー・キー
    ファミール産院グループ
    理事長
    杉本 雅樹 氏

医療法人社団マザー・キー
ファミール産院グループ
URL:https://famil-s.com/
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